2004年4月15日(木)07:55

シュレーダー首相は異なる速度のEUを主張

ベルリン(ドイツ通信社)

ドイツのゲルハルト・シュレーダー首相(社会民主党)は5月1日のEU拡大後、二つの速度のヨーロッパが必要と考えている。

「さらなる統合の進展のために必要とあらば、私たちは一群の加盟国による先行を認めるような方策をいくつかの分野できわめて実際的に考えるべきであろう」とシュレーダー首相はドイツ通信社(dpa)に語った。

この発言で首相は、いわゆる「中核ヨーロッパ」をめぐる議論において、ヨシュカ・フィッシャー外相(緑の党)とは力点の異なる主張をしたことになる。外相は現在ではEU内の小グループの先行統合を否定する立場に替わっている。*) シュレーダー首相は、「はるかに拡大した欧州連合でどうしたら欧州統合が推進できるか」考えねばならない、と主張した。

すでに実現している「異なる統合速度」の例として、シュレーダー首相は経済・通貨同盟、および国境検問廃止のためのシェンゲン協定の協力関係、ならびにEUの共通安全保障・防衛政策を挙げた。

原題:Schroeder: EU der verschiedenen Geschwindigkeiten

訳注:フィッシャー外相は2月28日付けの『ベルリーナー・ツァイトゥング』紙とのインタビューで、従来の「中核ヨーロッパ」方式による先行統合から、全加盟国による統合の推進に主張を切り換えた。詳しくは本HP「EUの機構改革」のインタビュー「小欧州構想はもはや機能しません」(下記URL)を参照。
http://ecowww.leh.kagoshima-u.ac.jp/staff/nakajima/r-februar%2004/28.02.Fischer.html




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